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レビュー: カオスヘッド・ノア (XBOX360)

プレイしていない人向け―ネタバレなしで記述します。どこまで書くかという基準はゲームのジャケット裏やXboxマーケットプレイスで配信されているトレイラー(予告編)動画など"ゲームを実際プレイしないで"公式に得られる情報に準じます。(公式サイト

STORY

西條拓巳は、引きこもり一歩手前の高校2年生。「三次元に興味はないよ」と言い切り、部屋で大量の美少女フィギュアに囲まれて生活している。

 彼が住む渋谷では、“ニュージェネレーションの狂気(通称:ニュージェネ)”と呼ばれる連続猟奇殺人事件が起きていた。その犯人はいまだ捕まっておらず、ネットやTVを騒がせている。

 ある日チャットをしていると、“将軍”と呼ばれる謎の存在から、次のニュージェネ事件を予言するようなグロ画像が送られてきた。翌日、拓巳は学校帰りに、まさに予言された通りの殺され方をした、凄惨(せいさん)な事件現場に遭遇する。そしてその遺体の前には、血まみれの少女――咲畑梨深が立ち尽くしていた。

 拓巳の平穏な日々に猟奇事件の影が忍び寄っていた──。

ゲーム概要

メインキャラクターに性質の違う6人の女の子がいたり、ジャケットの絵柄からいかにもなギャルゲーに見えますがさにあらず。本筋は女の子と仲良くすることではなく「ニュージェネ事件」という猟奇殺人と主人公との関わりで、ジャンル名の妄想科学ADVの通り"妄想"と"科学"が物語の鍵となります。このうち"科学"については物理(量子力学)と生物、医学などの知識があるとより理解が深まりますが、適宜説明が入るので理系アレルギーが無いようなら大丈夫かと思います。ゲームはいわゆるテキストアドベンチャーの形式で進行しますが選択肢を選ぶ場面はほとんどなく、むしろヴィジュアルノベルといった趣。特徴とされている妄想トリガーも選択肢と似たようなもので、特定の場面で「ポジティブ妄想」・「ネガティブ妄想」・「妄想なし」を選択して結果が変化します。

感想など

普段この手の女の子が出てくるようなノベルゲームは全くプレイしないのですが、珍しく発表された時から気になっていました。おそらく最初に見たイメージ画がボロボロになった109(のような建物)だったからでしょう(舞台は渋谷)。渋谷は大学時代に馴染みのあった街で、そこを舞台としたチュンソフト428といったゲームは普通の人以上に楽しく遊べた気がします。ですが、その後に予告編動画の中にある女の子が剣を持っているシーンを見て「ああ、その手の現実感の無いゲームか」ということで醒めてしまい、結局長い間手を出していませんでした。結局、その後に同じ会社から出たシュタインズゲートというゲームが評判が良く、カオスヘッド・ノアとも世界観を共有しているということで同時に購入ました。
実際にプレイすると、序盤は猟奇殺人にかかわる出来事が主人公に降りかかるサスペンス/ホラー的展開ですが、解決に向かう後半では一転してSF的要素が多めになります。このあたりは予告編動画を見た印象のままでした。ただし、全編にわたり陰鬱な雰囲気はずっと保持されており、真のエンディングを見るまではそれが本当に晴れることがありません。
SF的な要素に関してははむしろファンタジーと呼ぶべきようなもので、いわゆる疑似科学的なものを超科学として理解する方法が多用されます。ただ問題なのはある程度の知識をもった人が見ると科学的には多くが破綻していること。とくに物語中で「デッドスポット」を説明するシーンでは、高校生程度の生物の知識があれば(科学的には)明らかな嘘が混じっていることがすぐ見抜けてしまうでしょう。ただし、このあたりは自分が理系の研究者なので標準的な評価よりきつめになっているかもしれません。
全シナリオ/エンディングを通して見ると、物語の進行・各キャラクターのとった行動などはほぼすべて説明されています。ただし前提となる世界観が前述のようなファンタジーなので、人によってはシナリオがご都合主義に過ぎるように見えるかもしれません。これは物語にかかわる人物がすべてとても強い力を持っている事も原因のひとつではあります。


その他
良いところなど

  • ストーリーのテンポの良さ
  • 画面の所々にヒントやミスリーディングなものが隠されていてリプレイ時も楽しめる
  • 声優さんの熱演(特に主人公はいい意味でキモいです)

悪いところなど

  • いわゆる2CH系のネットスラングが頻出(解説はされますが)
  • 主人公がひねくれすぎてて共感しづらい
  • シナリオ分岐に因果関係がほとんどないため分かりづらい
  • スキップの遅さなどシステム面で二回目以降のプレイがしづらい



この手のゲームや絵柄が苦手、もしくはグロ描写に抵抗がないのであればお勧めできます。個人的には普段あまり興味のないジャンルで絵柄も苦手な感じにもかかわらず楽しく遊べました。

Z指定(18歳以上のみ対象)なのは女の子とのきわどいシーンのせいではなくむしろ猟奇殺人などの過激な暴力描写のためです。血みどろのグロ描写(といってもアニメ絵ですが)が苦手な方はご注意を。

CHAOS; HEAD NOAH (カオスヘッドノア) (通常版) 【CEROレーティング「Z」】

CHAOS; HEAD NOAH (カオスヘッドノア) (通常版) 【CEROレーティング「Z」】



PSP版の発売も決まっています。システム面の快適化を謳っているのでスキップ処理などは速くなるのでしょうが、レーティングがD指定(17歳以上対象)に下がっているため一部過激な暴力描写がカットされているのかもしれません。
CHAOS;HEAD NOAH(限定版)

CHAOS;HEAD NOAH(限定版)


同じ世界観を共有した物語のシュタインズゲートもお勧め。本文にも書いた通りむしろこっちがカオスヘッド・ノアをプレイする契機になりました。レビューもいずれ掲載予定です。
Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (通常版)

Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (通常版)